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土地評価の精査で売却地を最小限に|貸家建付地・無道路地の評価単位見直し事例

この記事のポイント

相談者
首都圏に複数の土地を持つ地主様のご相続
課題
生前中に被相続人ご本人が作成した概算試算では、納税資金が不足し複数土地の売却が必要な見込み
結果
土地評価の精査により相続税額を適正化。売却は1か所のみで納税可能な水準に

相続税申告において、財産の中心が土地の場合、土地評価の精度が納税額を大きく左右します。
とくに、同一敷地内に自宅・賃貸アパート・借地部分が併存するようなケースでは、
「評価単位の整理」や「利用区分(自用地・貸家建付地・貸地)」の判断次第で税額が変わるため、専門的な検討が欠かせません。

今回は、生前の概算試算を専門的に検証し、土地評価を精査することで、納税計画(売却計画)まで見直せた事例をご紹介します。

ご相談の背景


被相続人は首都圏に複数の土地を所有し、遺産の中でも土地の割合が大きいご家族でした。
相続人の皆さまは、生前中に被相続人ご本人が作成されていた概算の相続税試算をもとに、納税資金の準備を進めていました。

この試算は、一般の方が行う試算として典型的な
「路線価 × 地積」をベースにした簡易的な算定であり、
土地ごとの利用実態(貸家建付地・貸地・空地など)や評価単位の整理、減価補正の検討までは踏み込まれていない内容でした。

その結果、
「納税資金が不足し、複数の土地を売却しなければならない見込み」
となっており、相続人の皆さまにとっては
「どの土地を、いつまでに、どれだけ売る必要があるのか」
が大きな不安材料でした。

土地を確認すると、

  • 1つの土地の中に複数の利用単位が存在
  • 自用地のほか、貸家建付地・貸地として評価すべき区画が混在
  • 接道状況や地形も複雑

という状態で、土地評価の難易度が高い案件でした。

「この試算は本当に妥当なのか」
「土地評価に強い税理士に最初からきちんと見てほしい」
ということで、当事務所へご相談いただきました。

また、申告期限までは時間があるものの、
納税額次第で売却方針を決める必要があり、2ヶ月ほどで税額の目安を知りたい
というご希望が明確でした。

課題・論点(なぜ難しかったか)

本件の難しさは、大きく3点です。

1. 評価単位整理(自用地・貸家建付地・貸地の混在)

同一筆の中に

  • 居宅利用(自用地)
  • 賃貸建物の敷地(貸家建付地)
  • 借地権が設定された区画(貸地)

などが混在していました。

どの範囲を一体で評価し、どこからを区分評価するか
また各区画を自用地/貸家建付地/貸地のどれとして評価するかが、税額に直結する局面でした。

2. 無道路地に該当するかの判断

一部区画は接道状況が微妙で、
無道路地として評価減が可能か否かが重要な論点。
図面だけの机上計算では判断しづらく、現地確認が不可欠でした。

3. 減価要因が複合的に存在

不整形、間口・奥行、段差など、
補正論点が複数絡む土地が点在しており、
どの補正をどの範囲に適用するかまで含めた精密設計が必要でした。

※相続専門ではない税理士や、机上計算中心の試算では見落とされがちなポイントですが、
 土地評価は「実態」と「評価単位」の整理があって初めて適正な結論に至ります。

当事務所の対応

Step1:利用実態の棚卸しと評価単位の確定

登記簿・公図・地積測量図・路線価図に加え、
賃貸状況や借地関係、現況資料を整理し、利用単位ごとに評価単位案を作成。

「まとめる評価」と「分ける評価」の双方を比較し、
自用地/貸家建付地/貸地の区分を実態ベースで確定。
税務調査時にも説明できる評価単位に整理しました。

Step2:現地確認で無道路地の該当性を精査

出入口・通行実態・隣接地との利用関係を現地で確認し、
無道路地の評価減の可否と根拠を整理。
写真・図示で証跡化しました。

Step3:補正適用を“税務調査耐性込み”で設計

不整形地補正・間口狭小補正・奥行価格補正等について、
適用の可否だけでなく、適用理由の説明力まで意識して評価明細書を作成し、
過大評価となっていた部分を適正水準へ修正しました。

結果

当初試算(生前の概算):土地A・B・Cの3か所売却が必要
見直し後(専門税理士評価):土地Cの1か所のみの売却で納税完了

評価単位の整理と無道路地評価減の適用、複数補正の精査により、
生前試算と比べて土地評価額が適正化され、相続税額を圧縮。
売却対象を最小限に抑えた納税計画が可能になりました。

相続人の皆さまからは
「先祖代々の土地を予想以上に残すことができて安心した」
とのお声をいただき、落ち着いて申告準備を進められました。

本件のポイント

同一筆に自用地・貸家建付地・貸地が混在する場合の評価単位整理区分の仕方ひとつで税額が変わる。

無道路地・不整形等の“実態依存の評価減”の精査
机上評価に頼らず現地実態で判断し、根拠を残すことが重要。


このような方は是非ご相談ください。

  • 土地が相続財産の中心
  • 同一土地に自用地/貸家建付地/貸地が混在している
  • 無道路地・不整形・高低差など評価が難しい土地がある
  • 納税額次第で売却判断が必要で、早めに目安を知りたい

早期に納税額の目安が分かるだけでも、相続全体の進め方が大きく変わります。
土地評価にご不安がある方は、トラスト相続専門税理士事務所へ相続税申告のご相談をお寄せください。

代表税理士清水翔太の画像

トラスト相続専門税理士事務所

代表税理士清水翔太shota shimizu

所属:東京税理士会芝支部(登録番号136943)

都内大手税理士法人でパートナーを務めた後、独立開業。相続税申告の累計担当件数は700件を超える。「適正な評価で、ご家族の資産と想いを守る」を信念に、難易度の高い土地評価や税務調査対策、二次相続まで見据えた遺産分割の提案を得意とする。形式的な事務処理ではなく、お客様一人ひとりの人生に寄り添う「オーダーメイドの相続」を実践している。

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