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【税理士解説】相続税の税務調査の実態|確率は「5人に1人」?当日の流れ・指摘されやすい財産ワースト3

「相続税の申告を済ませたけれど、税務調査が来ないか心配だ」
「調査官は家に来て、引き出しの中まで見るのだろうか?」


相続税申告を終えた後も、こうした不安を抱えている方は少なくありません。
私は普段、金融機関のお客様向けに税務調査に関するセミナーを行っていますが、そこでも必ず出るのが

「うちは調査が来ますか?」
「当日は具体的に何をするのか?」

というご質問です。

税務調査は、決して「怖がる」ものではなく、「正しく知って、準備する」ものです。
きちんと準備をしておけば、過度に恐れる必要はありません。

今回は、実際の調査現場に何度も立ち会ってきた経験から、税務調査のリアルな確率・当日の流れ・指摘を受けやすい財産のポイントについて解説します。

税務調査が来る確率はどのくらい?

実質「5人に1人」が税務署からの接触を受けている

一般的に「相続税の税務調査率は約10%」と言われますが、これは自宅に調査官が来る“「実地調査」だけ”の数字です。

近年増えている、電話や文書による「簡易な接触(問い合わせ)」を含めると、
“税務署から何らかの指摘・問い合わせを受ける確率は、おおむね20%程度(5人に1人)”まで高まると考えられます。
(※国税庁 令和5事務年度統計より推計)

特に、

  • 一定以上の資産をお持ちの方
  • 生前贈与や保険、金融資産の動きが複雑なご家庭

では、その確率はさらに高くなる傾向があります。
「うちは普通の家庭だから大丈夫」という油断は禁物です。

調査に入られたら「約9割」が追徴課税に

「もし調査が来ても、何もやましいことはないから大丈夫」
そう思われるかもしれませんが、データは厳しい現実を示しています。

国税庁の統計によると、実地調査が行われた案件のうち、申告漏れなどの指摘を受けた割合(非違割合)は“88.1%(令和5事務年度)”に達しています。

つまり、

「調査官が家に来た時点で、約9割のケースで追加の税金が発生している」

ということです。

税務署は、確実な証拠や勝算を持って調査に臨みます。
「話せばわかってくれるだろう」という感覚は通用しません。だからこそ、申告段階での「隙のない準備」が何より大切になります。

リアル再現:税務調査「当日の流れ」

税務調査は通常、朝10時から夕方4時頃まで行われます。
ドラマのような強制捜査ではなく、あくまで「任意調査」ですので、基本的にはリビング等で座って質疑応答が行われます。


10:00〜 午前:ヒアリング中心


まずは世間話から始まり、場の空気が和んでから本題に入ります。

主に聞かれる内容は、

  • 被相続人の生い立ち・お仕事・趣味
  • 病歴や介護の状況
  • ご家族との関係
  • 通帳や財布の管理状況 など

一見雑談のようですが、何気ない会話の中に、資産の使い道や生前贈与のヒントがないかを探っています。


12:00〜 昼休憩


調査官は外へ食事に出ます(接待は禁止です)。
ご家族と税理士だけになりますので、午前中の質疑を踏まえたミニ作戦会議の時間でもあります。


13:00〜 午後:通帳・現物の確認


午後は、午前中の話を裏付けるための“「モノ」の確認”が中心です。

  • 金庫の中身
  • 通帳・印鑑・保管場所
  • 保険証券・契約書類
  • 家具や調度品・貴金属 など

勝手に引き出しを開けられることはありませんが、
「この棚を開けて見せてください」など、同意を得た上で確認が行われます。


16:00頃 終了・その後の流れ


当日の確認事項を整理し、持ち帰って検討する事項を確認して終了となります。
その後、税務署内で検討が行われ、**追徴課税がある場合は「修正申告」や「更正処分」**といった形で通知されます。

調査官はここを見ている!指摘されやすい財産ワースト3

税務調査で「申告漏れ」を指摘されやすい財産には、明確な傾向があります。


第1位:名義財産(妻・子・孫名義の預金、有価証券)


これが圧倒的に多い指摘事項です。

  • 名義は妻や子・孫になっている
  • しかし、実際にお金を出したのは被相続人
  • 通帳や印鑑も被相続人が管理していた

このようなケースは、「実質的には被相続人の財産(=名義預金)」と判断されやすくなります。

◎対策:
 日頃から「誰のお金か」「誰が管理しているか」を整理し、
 贈与契約書や入金の経緯を残しておくことが重要です。申告時にも、その経緯をきちんと説明できるようにしておきましょう。

第2位:手許現金(タンス預金・直前出金)


亡くなる直前にATMから引き出した多額の現金や、家の中に保管していた現金も、よく問題になります。

  • 「葬儀費用に使ったから大丈夫」と思いがち
  • 使い道が不明確な残金
  • 亡くなった日時点の手持ち現金

こうしたものは、相続財産として計上すべき現金と判断される可能性があります。

◎対策:
 大きな現金の動きがあった場合は、領収書やメモで使い道を残すことが大切です。「いつ・いくら・何に使ったか」が説明できるようにしておきましょう。


第3位:海外資産・生前贈与の加算漏れ


近年は、海外口座や海外投資をお持ちの方も増えています。これらは税務署にとって重点的なチェック対象です。

また、過去3年(令和6年以降は順次7年に延長予定)以内の生前贈与についても、
「相続開始前の贈与加算」の対象となるものが漏れていないか、厳しく確認されます。

◎対策:

  • 海外口座・海外証券は、残高証明や取引履歴をきちんと揃えておく
  • 過去の贈与について、贈与契約書・振込記録を整理しておく

など、「後から見ても分かる資料」を揃えておくことが大切です。

税務調査で慌てないために、申告段階でできること

税務調査は「来てから」対策するものではなく、「申告書を作る段階」で対策しておくものです。


税務署視点での「事前精査」


税務署が疑問に持ちそうな点について、あらかじめ申告時に説明を添えておくことで、調査に選ばれるリスクを下げることができます。

  • 名義預金かどうかの判定
  • 同居実態や小規模宅地等の特例の適用可否
  • 土地評価の根拠 など

相続専門の税理士は、まさに「税務署側の視点」を踏まえて、事前にリスクを洗い出していきます。


当日の事前打ち合わせと同席サポート


もし調査が決まっても、当事務所では調査当日、税務署が到着する前にご自宅を訪問し、最終的な打ち合わせを行います。

  • 当日の流れの再確認
  • 回答する際の注意点の共有
  • 家の中のどこまで見せるかの整理 など

調査中は常に横に寄り添い、必要に応じてその場で税務署と丁寧に議論し、お客様のご負担が最小限となるようサポートします。

まとめ:不安な方は専門税理士にご相談を

税務調査は、適切な準備と対応があれば恐れる必要はありません。
大切なのは、

  • 事前にリスクを把握しておくこと
  • 税務署の視点を理解したうえで申告すること
  • いざという時に頼れる専門家を持っておくこと

です。

当事務所の代表税理士は、都内大手税理士法人でのパートナー経験を通じ、数多くの相続税の税務調査に立ち会ってきました。

「名義預金かどうかの判定が不安」
「税務調査に強い税理士にお願いしたい」

とお考えの方は、トラスト相続専門税理士事務所へ相続税申告のご相談をお寄せください。

代表税理士清水翔太の画像

トラスト相続専門税理士事務所

代表税理士清水翔太shota shimizu

所属:東京税理士会芝支部(登録番号136943)

都内大手税理士法人でパートナーを務めた後、独立開業。相続税申告の累計担当件数は700件を超える。「適正な評価で、ご家族の資産と想いを守る」を信念に、難易度の高い土地評価や税務調査対策、二次相続まで見据えた遺産分割の提案を得意とする。形式的な事務処理ではなく、お客様一人ひとりの人生に寄り添う「オーダーメイドの相続」を実践している。

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